
秋葉原でハードディスクを購入してから岩本町まで歩いた。
都営新宿線に一駅のれば目的地の馬喰町につく、とても久しぶりな町だ。
エトワール海渡の就職説明会を聞きに来た以来かも知れない。
馬喰町がいつからかアートの街に変わりつつある。
多分ぼくが来ていない間のここ5年くらいのことだと思う。
まさか昭和の影を色濃く残す雑居ビルに
ダニッシュデザインのストアが出来るなんて想像もしていなかった。
ストアの名前はdeshima。鎖国時の日本がオランダ貿易に充てた島の名前に由来する。
場所はTARO NASU GALLERYの上、402号室にあった。
(千代田区東神田1ー2ー11アガタ竹澤ビル402号)
伺ったプレオープン初日、まだかなりの書籍は残っていてくれた。
オランダ写真集のエキスパートが買い付けたとあって
大半の写真集は見たことも聞いたこともなかった。
クーケンの写真大成はじめ知名度のあるものは割合に低価格で
逆にエルスケンの処女作などのレア本には適正価格が付けられている。
僕は2時間に渡る健闘の末、ハンス・エイケルブームを2冊購入した。
写真集『NEWYORK&AMSTERDOM BY NUMBERS』
by HANS EIJKELBOOM
ハンス・エイケルブーンはマーティン・パーいち押しの写真家で…
と、請け売りばかり書いていても仕方ないので少し調べてみた。
「撮影した人達には彼らでなければならない理由があった」
この写真集は、ニューヨーク、あるいはアムステルダムに
ハンス・アイケルブーンが3週間滞在し、
1から順に100までその番号が書かれた服を来た人を撮影する、
という分かり易い企画のもの。中には刺青や風船なども含まれている。
「偶然の産物にして出会った数字を身につけた人たち。彼らは撮影されるためにその日、その場所で、その番号を僕に見せてくれたんだ。そこには偶然(必然)という理由がある。」
アムステルダムのnumber99は、
グリーンとグレーを着た別の男が両方とも
胸に99のワッペンを偶然着けていたのには驚いた。
『ニューヨーク』と『アムステルダム』を読み比べていると
予想に反して似通っていることがわかる。
"欧米"とひとまとめにすることには抵抗を感じるが
やはり大都市は少なからず共通化されている印象は拭えない。
最近、写真集『地球の食卓』を発表したピーター・メンツェルは
「食の切り口から世界のスーパーマーケットを撮ろうと思った。
でもどの国も言語が違うだけで全く同じだったから放棄したんだ。」
などと言っていたのを思い出し共感を新たにする。
「写真集『NEWYORK&AMSTERDOM BY NUMBERS』は、
映し出すまで見えなかった真実のラインによって
現代的な混沌を示すことに成功している」
本書は、1000部限定で定価は24ドル。
うち100部には大四切の(483ミリx329ミリ)
オリジナルプリントとサインが付けられている。
これはオープン価格だが、とあるNYの書店では
約200ドルと破格な値が付けられていた。
しかもプリントはエディションがそれぞれ6で
絵柄の種類が極めて豊富な面白い展開になっている。。
ハンス・アイケルブーム本人(事務所?)にも
Detail order about the limited edition『NEWYORK&AMSTERDOM BY NUMBERS』
のリクエストをメールすると資料を送ってくれるらしい。
(問:hans.eijkelboomアットxs4all.nl)
写真集を閉じて朝日の当たる棚に並べる。
春を感じる装丁に思わず心が浮き立ってくる。
今日ぼくは2と書かれたシャツを着て出掛けよう。
いつか『TOKYO BY NUMBERS』に登場する偶然に期待をしつつ。