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写真集『Tete a Tete』byHenri Cartier-Bresson


アンリ・カルティエ=ブレッソンの人物写真といえば
写真一枚にその人物の前後が見える、という具合に
奥行感や物語性のある写真で知られる。

そのカルティエ=ブレッソンのプリントを初めて見たのは、
東京都近代美術館で開かれた回顧展のときだった。
そこで見たジャン・ポール・サルトルの眼差しと言えば、
あれほど印象的なものは今でもなかったと思う。

『Tete a Tete』。
"二人きり"、あるいは"内緒話"と訳される
さも意味深なタイトルに惹かれた。
それはアンリ・カルティエ=ブレッソンが写した
芸術家や作家、女優など様々な"人"をテーマにする
ポートレート写真集として名高い。

総勢150名近い人物が登場する。
写真関係者ではセシル・ビートン、
アレクセイ・ブロドウィッチ、ロベール・ドアノー、
濱谷浩、ジョン・ミリ、
アルフレッド・スティーグリッツ、
マルセル・デュシャンやスーザン・ソンタグまでいる。

もちろん被写体は写真家にとどまらず、
マルク・シャガール、アンリ・マチスなどの画家、
歌手のピアフ、革命家チェ・ゲバラ、女優のモンローなど、
実に様々な"人"の写真が集録されている。

これだけの著名人とどのようにして知り合うのかと、
その顔の広さには驚かされてしまう。
カルティエ=ブレッソンの写真集の装幀ひとつ取っても
その人脈の広さがわかると思う。

代表作の『決定的瞬間』には
画家のアンリ・マチスが自ら装幀役を買ってでたし、
『ヨーロッパ人』では、ミロが装幀を行い、
サルトルが解説文を担当していた。

アンリ・カルティエ=ブレッソンは
これら初期の写真集から人物写真も織り交ぜている。
それだけ"人"の写真は重要な役割を担っていたのだろうか。

この写真集『Tete a Tete・テートアテート』には、
家族であるホルテンセ・カルティエ=ブレッソンと、
メラニー・カルティエ=ブレッソンの写真がある。

意外なとこに見られた私写真の一面。
まさか"indonesia"と題された一枚に
写る女性はカルティエ=ブレッソンの奥さんだろうか、
と思い巡らし楽しむのもまた一興である。


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